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【2025年度】新事業進出補助金〈第2回〉公募スケジュールと制度概要|第1回との変更点を詳しく解説


2025年春に終了した「事業再構築補助金」。コロナ禍における目玉補助金として、多くの中小企業が新分野展開や業態転換に挑戦するきっかけとなりました。
その後継として今年度から新たに始まったのが 「新事業進出補助金」 です。
第1回公募に続き、2025年9月12日(金)から第2回公募が開始されました。本記事では、公募スケジュール、制度概要、第1回からの変更点を整理し、申請準備のポイントをわかりやすく解説します。
■ 第2回公募のスケジュール
今回の公募スケジュールは以下の通りです。
項目 | 日程 |
---|---|
公募開始 | 2025年9月12日(金) |
申請受付 | 2025年11月10日(月) |
応募締切 | 2025年12月19日(金)18:00(厳守) |
採択発表 | 2026年3月頃(予定) |
補足:
申請受付は11月からですが、補助金申請には見積取得・金融機関からの確認書類・労務関連の行動計画の公表など、時間を要する準備が必要です。日程に余裕があるように見えても、逆算すると準備期間は実質的に限られています。

■ 新事業進出補助金の制度概要(第2回)
新事業進出補助金は、中小企業がこれまでに取り組んだことのない新しい事業や市場への挑戦を支援する制度です。設備投資や広告宣伝など幅広い経費が対象となるのが特徴です。
項目 | 内容 |
---|---|
補助目的 | 新市場・高付加価値分野への進出を後押しし、生産性向上と賃上げを実現する |
補助率 | 1/2(対象経費の半分を国が補助) |
補助上限額 | 従業員数20人以下:2,500万円 21~50人:4,000万円 51~100人:5,500万円 101人以上:7,000万円 ※賃上げ特例で最大9,000万円まで引き上げ可 |
対象経費 | 機械装置費、建物費、システム構築費、運搬費、知財関連費、外注費、専門家経費、クラウド利用費、広告宣伝費など |
事業期間 | 交付決定から14か月以内(採択発表から16か月以内) |
ポイント:
小規模企業でも最大2,500万円が補助対象になります。さらに「賃上げ要件」を満たすことで、上限が最大9,000万円まで拡大される仕組みです。

■ 対象者と対象外事業者
補助対象は日本国内に本社を持つ中小企業等ですが、以下は対象外です。
- 大企業
- 「みなし大企業」(親会社が大企業であるなど、実質的に大企業とみなされる企業)
- 同一グループ企業による重複応募(同一公募内で重複すると交付決定が取り消されます)
補足:
第2回からは「みなし同一事業者」の応募制限がより明確化されました。関連会社での応募を予定している場合は特に注意が必要です。
■ どんな取組が対象になるか
補助対象となるのは「新規性」が明確に認められる取組です。以下は公式手引で示される例です。
業種 | 既存事業 | 新規事業(補助対象になり得る取組) |
---|---|---|
製造業 | 自動車部品製造 | 半導体装置部品の製造 |
製造業 | 航空機部品製造 | 医療機器部品の製造 |
建設業 | 注文住宅建設 | 木材家具の製造 |
印刷業 | 販促物印刷 | 飲食店の内装工事 |
情報サービス業 | WEBサイト制作 | 地域特産物のECサイト運営 |
ポイント:
いずれも「自社の強みを活かしつつ、従来とは異なる市場に挑戦している」事例です。単なる商圏拡大や既存製品の小改良は対象外となる場合があるので注意が必要です。
■ 第1回と第2回の差異(実務に影響する変更点)
第1回から大きな制度変更はありませんが、実務に影響する調整がいくつかあります。
区分 | 第1回 | 第2回 | 実務への影響 |
---|---|---|---|
賃上げ要件 | 応募申請時に従業員へ表明 | 交付申請時までに表明 | 応募申請時には表明不要 |
事業計画書 | 「現在の事業の状況」項目あり | 項目削除/高付加価値性説明を強化 | 数値根拠の提示がより重要に |
審査基準 | 実現可能性(資金調達等) | 経費の妥当性(必要額か)を追加 | 見積や費用根拠を丁寧に記載する必要 |
減点項目 | 過剰投資など | 「評価が低くなる例」に該当で減点 | 単なる改良では採択が難しい |
口頭審査 | 申請者以外は同席不可 | 違反時は不採択の可能性を明記 | 口頭審査がより厳格に |
提出書類 | 固定資産台帳が必須 | 固定資産台帳が不要に | 書類準備の負担が軽減 |
補足:
特に「経費の妥当性」が新たに審査項目に加わった点は重要です。単に高額な設備を並べるのではなく、事業計画の実現に本当に必要かどうかを説明できるかが採択の分かれ目になります。
■ 審査の加点項目(第2回公募要領より)
応募締切日時点で満たしている場合、以下の項目に応じて一定程度の加点が行われます。
加点項目 | 内容 |
---|---|
パートナーシップ構築宣言 | 公的ポータルに宣言を公表している事業者 |
くるみん認定 | 次世代育成支援法に基づく認定を受けた事業者 |
えるぼし認定 | 女性活躍推進法に基づく認定を受けた事業者 |
アトツギ甲子園 | ピッチ大会に出場した事業者 |
健康経営優良法人 | 「健康経営優良法人2025」に認定されている事業者 |
技術情報管理認証 | 技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者 |
成長加速化マッチング | 会員登録し挑戦課題を登録している事業者 |
再生事業者 | 中小企業活性化協議会の支援を受け、再生計画を策定中または成立している事業者 |
ポイント:
これらに該当すると採択にプラス評価されます。他の補助金では加点の有無で採択率が2倍以上違う事例があります。一つでも多くの加点を取るため、早めの準備が必須です。
■ 不採択リスク要因(よくある失敗)
過去の公募で見られた不採択要因を整理すると以下の通りです。
- 新規性が不十分(既存事業の延長と判断される)
- 投資規模が過大で収益性が疑問視される
- 売上予測に根拠がなく、実現可能性が低いと判断される
- 賃上げ・最賃・付加価値の要件を満たせない見込み
- 提出書類の不備や電子申請での入力漏れ
■ 実務への影響と申請準備のコツ
申請準備には時間がかかるため、今から以下を進めておくと安心です。
- 逆算スケジュールで動く:見積・図面・金融機関確認書などは前倒しで依頼
- GビズIDプライムの取得:電子申請に必須。発行に数週間かかるため最優先で準備
- 一般事業主行動計画の公表:子育て支援や女性が働きやすい環境作りに関する計画を厚労省のサイトに届け出。公表手続きに2週間以上かかる場合もあるため早めに対応
- 事業計画の根拠データを整備:市場調査や統計資料を収集し、計画の説得力を高める
- 認定支援機関と相談:補助金申請の流れや審査観点を熟知した認定支援機関に相談することで、計画書の完成度を高められる
■ まとめ/関連リンク
新事業進出補助金は、従業員数に応じて最大7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円)まで補助される大型制度です。
第2回公募では大きな変更はないものの、審査基準の厳格化や提出要件の見直しがあり、申請準備にはより丁寧な対応が求められます。
応募締切は 2025年12月19日(金)。
早めの準備と、専門家(認定支援機関)との連携が成功のカギとなります。
補助金申請をお考えの方は、経産省「認定支援機関」が運営する当センターへ、ぜひご相談ください
北海道補助金助成金サポートセンターでは、札幌市・苫小牧市・千歳市・恵庭市など道央地区や北海道内を中心に、自社での申請が難しい事業者に向けて各種補助金の申請サポートを行っています。
当センターを運営する株式会社OTisは、経済産業省から認定を受けた中小企業経営支援に関する認定支援機関(経営革新等支援機関)。補助金のプロが相談から申請・実績報告まで徹底サポートさせていただきます。
これまでも国や地方自治体の様々な補助金のサポート実績がありますので、支援をご希望の方や、自社でも使えるかなどご相談は、電話、公式LINE、お問合せフォームなどでご連絡ください。お待ちしています。
北海道補助金助成金サポートセンター
電話:050-3124-0901
営業時間:平日9:00~18:00
(お問合せフォームでのお問合せは24時間承ります)
ご相談・お問い合わせはこちら
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■■■この記事の著者■■■
中小企業専門・補助金活用アドバイザー 矢農 誠
★経済産業省認定 経営革新等支援機関 株式会社OTis(オーティス) 経営支援室 室長/北海道補助金助成金サポートセンター センター長。
★国と北海道ローカルの補助金を得意とし、大型補助金のみならず大手コンサルが扱わない100万円単位の小規模な補助金もフォロー出来ることが強み。
★1979年生まれ、市議会議員→地場飲食店チェーン本部総務部長→現職。商工会議所認定ビジネス法務エキスパート、麻雀7段。
