【採択者必読】小規模事業者持続化補助金 第17回採択結果と採択後手続きのポイント

小規模事業者持続化補助金<一般型>第17回の採択結果が発表されました。

今回の申請件数は過去最大の23,365件、そのうち11,928件が採択され、採択率は51.1%と前回より大きく回復しました。

小規模事業者持続化補助金とは、商工会・商工会議所の支援を受けながら行う「販路開拓」や「業務効率化」の取り組みに対して、経費の一部を国が支援する制度です。小規模事業者でも比較的チャレンジしやすく、ホームページ作成や広告出稿、機械設備の導入など幅広い取り組みに活用できます。

今回の第17回は、結果発表が申請締切から3か月半遅れるという異例のスケジュールになったことに加え、初めて「採択後の手続き(見積書提出→交付決定)」が導入されました。

本記事では、第17回の採択結果の詳細とともに、新たに加わった採択後手続きのポイントをわかりやすく解説します。

目次

小規模事業者持続化補助金とは

小規模事業者持続化補助金(以下、持続化補助金)は、中小企業や個人事業主などの「小規模事業者」が、自社の経営計画に基づいて行う販路開拓や業務効率化の取り組みを支援する制度です。商工会・商工会議所の支援を受けながら事業を進めることが必須となっています。

補助率は原則2/3、補助上限は通常50万円ですが、特例を活用することで最大250万円まで引き上げることができます。対象となる経費は、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会出展費、旅費、新商品開発費、借料、委託・外注費など幅広く、広告や機械設備の導入、店舗改装など幅広く活用できるのが特徴です。


第17回採択結果の概要

2025年6月13日締切の第17回は、過去最大規模の申請件数となりました。

以下に、第17回と第16回の結果をまとめました。

項目第17回第16回
申請期限2025年6月13日2024年5月27日
採択発表2025年9月26日2024年8月8日
全国申請者数23,365社7,371社
全国採択者数11,928社2,741社
採択率51.1%37.1%
北海道(商工会議所)284社57社
北海道(商工会)106社25社
北海道合計390社82社

第17回結果の雑感

第17回は申請者が過去最大となり、当初の予定より結果発表が遅れ、締切から発表まで約3か月半を要するという異例の展開となりました。

そのため、採択率が下がるのでは無いかという観測がありましたが、逆に前回の37.1%から回復し、採択率51.1%と比較的高水準となりました。名前の通り小規模事業者が使う補助金として、採択率が上がったことは非常に良いことなのですが、採択件数が大幅に増えたことにより、公募回数自体が減ったのではないかという懸念もあります。

現に、第17回申請締切が2025年6月13日、第18回締切が2025年11月28日と年2回程度の公募ペースとなっています。


第17回から導入された「採択後手続き」とは

今回から新たに、採択後に「見積書の提出」を行い、その後に交付決定通知を受けて初めて事業開始できる仕組みが導入されました。

新手続きの流れ

  1. 採択通知の受領
  2. 経費に関する見積書等の提出
  3. 補助金事務局による確認
  4. 交付決定通知の発行
  5. 交付決定日以降に事業開始(発注・契約)

見積書提出のルールと注意点

以下が見積書提出に関するルールと注意点です

項目内容
見積書すべての経費について見積書等が必要
相見積発注額100万円(税込)超は2者以上の相見積が必須
中古品購入金額にかかわらず2者以上の見積が必須
店頭購入商品写真+価格がわかる資料の提出が必要
ネット購入金額が確認できる画面コピーで代替可能
提出時期審査に1〜2か月かかる場合があるため早めの提出が推奨
  • 交付決定日前に発注・契約したものは補助対象外
  • 交付決定が遅れると、補助事業期間が短くなるリスクあり

採択後手続きの実務的な注意点

  • 交付決定が出るまで事業を開始できません。機材の発注やサービス契約は「交付決定通知」受領後に行う必要があります。
  • 見積書提出に期限は明記されていませんが、提出が遅れると交付決定が遅れてしまいます。そのため、見積書や相見積、証拠書類の準備は採択直後から動き始める方が安全です。
  • ものづくり補助金でも同様の交付申請が存在しますが、持続化補助金はそこまで複雑な手続きではありません。

今後の公募スケジュールと申請準備

第18回の公募は以下のスケジュールで実施されます

  • 公募開始:2025年10月4日(金)
  • 実質締切:2025年11月18日(火) ※商工会議所提出期限
  • 申請締切:2025年11月28日(金)17:00

採択率が5割程度に回復したことは、事業者にとってチャレンジしやすい水準といえます。次回申請を検討する事業者は、早めに経営計画の策定や見積収集を進めることが重要です。


まとめ

第17回は過去最大の申請件数となりましたが、採択率は51.1%と回復しました。前回は30%台と非常に厳しい結果だったことを考えると、地域の中小企業にとって使いやすい補助金として魅力が戻ったと言えます。

また、今回から新たに「採択後手続き」が導入され、見積書提出を経て交付決定を受けなければ事業を開始できなくなりました。採択を受けた事業者の皆様も油断せず、採択後の迅速な準備を進めることをオススメします。

関連情報はこちらもご覧ください:

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北海道補助金助成金サポートセンターでは、札幌市・苫小牧市・千歳市・恵庭市など道央地区や北海道内を中心に、自社での申請が難しい事業者に向けて各種補助金の申請サポートを行っています。

当センターを運営する株式会社OTisは、経済産業省から認定を受けた中小企業経営支援に関する認定支援機関(経営革新等支援機関)。補助金のプロが相談から申請・実績報告まで徹底サポートさせていただきます。

これまでも国や地方自治体の様々な補助金のサポート実績がありますので、支援をご希望の方や、自社でも使えるかなどご相談は、電話、公式LINE、お問合せフォームなどでご連絡ください。お待ちしています。

北海道補助金助成金サポートセンター
電話:050-3124-0901
営業時間:平日9:00~18:00
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■■■この記事の著者■■■

中小企業専門・補助金活用アドバイザー 矢農 誠

★経済産業省認定 経営革新等支援機関 株式会社OTis(オーティス) 経営支援室 室長/北海道補助金助成金サポートセンター センター長。
★国と北海道ローカルの補助金を得意とし、大型補助金のみならず大手コンサルが扱わない100万円単位の小規模な補助金もフォロー出来ることが強み。
★1979年生まれ、市議会議員→地場飲食店チェーン本部総務部長→現職。商工会議所認定ビジネス法務エキスパート、麻雀7段。

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