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小規模事業者持続化補助金(通称:持続化補助金)は、「新たな販路開拓」や「業務の効率化」に取り組む小規模事業者を国が支援する制度です。
国の補助金の中では、補助金の対象となる経費が広く、申請難易度も高くないということで、地域の中小事業者が初めて取り組むには最適な補助金です。
2025年の制度では、物価高騰やインボイス制度への対応といった事業環境の変化に対応する事業者の挑戦を後押しする目的のもと、申請枠の再編や評価基準の一部変更がされています。
※本ページは2025年度第17回公募(6月締切)の内容に基づいています。
この補助金の目的とは?
以下のいずれか、または両方を目的とする事業に対して補助が行われます
- 今までに行っていない「新しい販路開拓」へのチャレンジ
- 販路開拓と同時に実施する「業務効率化(生産性向上)」の取組(業務効率化のみの申請は対象外)
「これまで自社で取り組んでいなかったこと」であることが前提です。たとえば、すでにSNSで広告を出している事業者が、同じ内容でSNS広告費を計上することはできません。反対に「初めて自社サイトを開設する」「異なる客層にアプローチするためのチラシを作る」などは対象になります。
対象となる事業者
持続化補助金は「小規模事業者」向けです。次の基準を満たすことが必要です。
業種区分 | 常時雇用の従業員数 |
商業・サービス業(宿泊・娯楽除く) | 5人以下 |
宿泊業・建設業・製造業・運送業等 | 20人以下 |
対象となる法人・個人
- 株式会社、合同会社、合資会社、有限会社などの営利法人
- 個人事業主
- 士業法人(例:税理士法人)
- 特定非営利活動法人(NPO法人)※一部のみ
対象外となる法人・個人
- 社団法人(一般・財団)、財団法人(一般・財団)、宗教法人、学校法人、社会福祉法人、任意団体など
- 系統出荷のみの農業・林業・漁業、農業組合法人
- 医師・歯科医師・助産師、医療法人、介護保険・障害福祉サービスなど法定報酬で収益を得る事業
- 申請時点で開業していない創業予定者
また、過去に採択された補助金の報告義務を果たしていない場合や、卒業枠などで既に支援を受けている場合は申請不可となることがあります。
補助額と補助率
持続化補助金は、事業規模や条件に応じて複数の「枠」が用意されています。主な枠と条件は以下の通りです。
区分 | 補助上限 | 補助率 | 主な条件 |
通常枠 | 50万円 (インボイス特例:100万円) | 2/3 | 小規模事業者なら誰でも対象。 |
賃金引上げ枠 | 200万円 (インボイス特例:250万円) | 2/3 | 事業場内最低賃金を+50円以上引き上げること。 |
赤字+賃金引上げ枠 | 200万円 (インボイス特例:250万円) | 3/4 | 上記+直近期の所得が赤字であること。 |
※「インボイス特例」とは、2021年9月30日~2023年9月30日までに免税事業者であり、補助事業終了時までにインボイス登録を完了した事業者を対象に、上限を増額する特例です。
補助対象経費の詳細
補助対象となる経費は、大きく8区分に分かれます。以下はそのうち代表的なものです。
機械装置等費
- 事業活動に必要な機械装置等(製造用機械、調理用機械、業務用冷蔵庫、ショーケース、3Dプリンターなど)
- 顧客対応用の設備(椅子・ベビーチェア等)
- 「機械及び装置」に該当する車両(例:ブルドーザー、パワーショベル等) ※
対象外の例
- 車両購入 ※「機械及び装置」に該当しないものは基本的に対象外
- 除雪車、フォークリフト、キッチンカーキッチントレーラー
- パソコン、タブレット、プリンタなど事務用機器
- 既存で持っている機械装置の買換
- 有償貸与を目的とした機械装置
- 顧客に貸与する事業運営に関する機械装置(駐車場経営、倉庫経営、コインランドリー等)
広報費
- チラシ、カタログ
- 新聞広告、フリーペーパー広告
- DM
- 看板作成、デジタルサイネージ広告
対象外の例
- 名刺、商品サービスの宣伝を目的としない看板や会社案内
- ノベルティ、試供品
- フランチャイズ本部が制作する広告物
ウェブサイト関連費
- HP制作、ECサイトの構築、SEO対策
- インターネット広告、SNS広告、SNS運用代行
- システム導入・構築、アプリケーション開発
- 動画制作(商品販売目的に限る)
注意
- 全体の25%以内に制限
- 他の費目(広報費等)と重複する場合は「ウェブサイト関連費」に一本化
- この費目だけの申請は不可
委託・外注費
- 自社で実行困難な業務の外注費
- 店舗改装・バリアフリー工事、利用客向けトイレ改装工事、生産強化のためのガス・水道・排気工事
- キッチンカーの内装・改造工事 ※キッチンカー購入費は対象外
- デザイン費
対象外の例
- 販路拡大に結びつかない工事(単なる店舗移転、解体工事、住宅部分の改装工事など)
- 建物の新設・増床、コンテナ購入など「不動産取得」にあたる経費
- 顧客に貸与する事業運営に関する改装費(駐車場経営、倉庫経営、コインランドリー等)
- テレアポ業務に関する委託費用
補助金の流れ
補助金は「後払い方式」です。申請してすぐお金がもらえるわけではありません。流れは以下の通りです。
注意
- 補助対象となるのは「交付決定以降」に発注・納品・支払いしたものに限ります。
- 交付決定前に行った支払いは、どんな理由があっても対象外です。
採択されるためのポイント
申請の評価は「基礎審査」「計画審査」「加点審査」の3段階で行われます。
基礎審査(足切り)
申請する事業計画は、以下の要件を「全て満たす」必要があります。満たさない場合は計画審査に進めず欠格(足切り)となります。
- 必要な提出資料が全て提出されていること
- 申請要件(補助対象事業、補助率、補助上限、対象経費など)に合致していること。
- 補助事業を遂行するために必要な能力を有していること。
- 小規模事業者が主体的に活動し、その技術やノウハウ等を基にした取組であること。
計画審査【最重要】
最重要ポイントです。事業計画書の妥当性を下記の審査項目で審査され、総合点が高いものから順番に採択されます。
事業計画書は電子申請システム上に書き込みますが、文量の目安として、A4サイズ8枚程度、10,000文字以内とされています。
ほぼこの内容で採択不採択が決定されると言われていますので、事業計画書を審査項目に沿うように作り込むことが重要です。
- 自社の経営状況分析の妥当性
- 自社の経営状況、製品・サービス、強みや弱みを適切に把握しているか。
- 経営方針・目標と今後のプランの適切性
- 経営方針・目標と今後のプランが、自社の強みや弱みを踏まえているか。
- 対象とする市場(商圏)や顧客ニーズを捉えたものとなっているか。
- 補助事業計画の有効性
- 補助事業計画が具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いか。
- 販路開拓を目指すものとして、経営計画の今後の方針・目標を達成するために必要かつ有効なものか。
- 技術やノウハウ、アイデアに基づき、ターゲット顧客や市場にとって新たな価値を生み出す商品、サービス、提供方法への取組が見られるか。
- デジタル技術を有効的に活用する取組が見られるか。
- 積算の透明・適切性
- 補助事業計画に合致した事業実施に必要なものか。
- 事業費の計上・積算が正確・明確で、真に必要な金額が計上されているか。
加点審査
国の補助金では、政府が推進す取組を率先して行う事業者に加点が行われます。
どの補助金でも加点は重要となりますが、取得に時間が掛かるものもあるため、確実に取るためにも早めの準備が必要となります。
以下は、加点項目の主なものです。
加点名 | 条件 |
赤字賃上げ加点 | 赤字事業者が賃金引上げ特例を選択すると自動加点される |
事業環境変化加点 | 原油・物価高騰やウクライナ情勢の影響を受けている場合に加点 |
東日本大震災加点 | 福島原発・ALPS処理水による影響を受けた水産関連業者など |
くるみん・えるぼし加点、一般事業主行動計画加点 | くるみん・えるぼし認定を受けている、または一般事業主行動計画を公表している企業に加点 |
賃金引上げ加点 | 中小企業庁の認定を受けた事業継続計画を有している |
地方創生型加点 | 地域資源活用・地域課題解決などに取り組む事業者に加点 |
経営力向上計画加点 | 経営力向上計画の認定を受けている場合に加点 |
事業承継加点 | 代表者60歳以上で後継者が事業を主導する場合に加点 |
過疎地域加点 | 過疎地域に所在し地域活性化に資する事業者に加点 |
事業継続力強化計画加点 | 事業継続力強化計画の認定を受けている事業者に加点 |
補助金申請の準備でよくあるつまずき
- GビズIDの取得に1週間以上かかる
- 見積書の金額や内容が不適切
- 交付決定前に契約してしまった
- 計画が抽象的で具体性に欠ける
サポート費用
着手金 | 5万円(税別) |
成功報酬 | 補助金額の15%(交付決定時) |
サポート範囲 | 相談~申請~交付申請~実績報告まで |
まとめ
「持続化補助金」は、少額ながらも事業の“次の一手”を後押しする非常に有効な制度です。一方で、準備が甘いと「不採択」や「補助対象外」となるリスクもあります。
- 新しい挑戦であることが重要
- 提出書類の正確性と一貫性が必要
- 採択されやすい工夫(加点取得・数字の裏付け)がカギ
初めての方こそ、専門家と二人三脚での準備をおすすめします。
補助金申請をお考えの方は、経産省「認定支援機関」が運営する当センターへ、ぜひご相談ください
北海道補助金助成金サポートセンターでは、札幌市・苫小牧市・千歳市・恵庭市など道央地区や北海道内を中心に、自社での申請が難しい事業者に向けて各種補助金の申請サポートを行っています。
当センターを運営する株式会社OTisは、経済産業省から認定を受けた中小企業経営支援に関する認定支援機関(経営革新等支援機関)。補助金のプロが相談から申請・実績報告まで徹底サポートさせていただきます。
これまでも国や地方自治体の様々な補助金のサポート実績がありますので、支援をご希望の方や、自社でも使えるかなどご相談は、電話、公式LINE、お問合せフォームなどでご連絡ください。お待ちしています。
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