新事業進出補助金

補助上限9,000万円と額も大きく、注目が集まる「新事業進出補助金」とはどういう補助金か解説していきます。
補助率や補助上限、補助対象経費、審査のポイント、申請前に準備しておくべきことなどを紹介していきますので、「新事業進出補助金」を調べている方は参考にしていただければと思います。

※本ページは第1回公募(2025年7月締切)の内容に基づいています。

「新事業進出補助金」はどんな補助金?

事業再構築補助金の後継補助金として注目を集めている「新事業進出補助金(正式名:中小企業新事業進出促進補助金)」。

この補助金は、中小企業が既存の事業とは異なる分野に進出するための設備投資やシステム導入などを支援するものです。
よくある「業務効率化」や「既存商品の改善」とは異なり、あくまで「新しい市場」「新しい製品・サービスに挑戦する」ことが前提です。
つまり、「自社にとっての新しいこと」に補助が出る制度といえます。

今の事業に限界を感じている

第2の柱を育てたい

まったく新しい製品やサービスで勝負したい

そんな思いを後押しする、“本気のチャレンジ”にこそ向いている補助金です。

補助金金額・補助率

補助率:1/2

補助上限額(従業員規模に応じて以下の通り)

従業員数補助金額
従業員20人以下2,500万円(賃上げ特例で最大3,000万円)
従業員21~50人4,000万円(最大5,000万円)
従業員51~100人5,500万円(最大7,000万円)
従業員101人以上7,000万円(最大9,000万円)
※賃上げ特例の適用による補助上限額の引上げを受ける事業者の場合、括弧内の補助上限額を適用


賃上げ特例とは、次の2点を達成した場合に補助上限が引き上がる制度です。

  • 事業場内最低賃金が都道府県最低賃金より+50円
  • 給与支給総額の年平均成長率+6%以上

また、補助下限が設定されており、補助額750万円以下(事業費1,500万円以下)の事業は申請が出来ませんので注意が必要です。

補助対象経費

対象となる経費は、幅広く設定されています。

  • 機械装置・システム構築費
  • 建物費
  • 技術導入費
  • 知的財産権関連経費(商標、特許など)
  • 専門家経費
  • 広告宣伝・販売促進費
  • クラウドサービス利用費
  • 運搬費、外注費 など

ただし、必ず機械装置・システム構築費か建物費が含まれている必要があります。

申請に必要な6つの要件

この補助金の特徴は、「完全な新規事業」であり、さらに「高い付加価値と賃上げを実現」出来ることが、求められます。
そのため、以下の6要件すべてを満たすことが求められます。

要件
新事業進出要件(以下3つをすべて満たす)

・製品等の新規性:自社にとって初めて製造・提供するもの(公募開始=2025年4月22日以降に製造する製品)

・市場の新規性:従来とは異なる顧客層を狙う市場(新市場性or高付加価値性のどちらかを選択)

・新事業売上高要件:新事業が売上の10%以上または付加価値の15%以上を占める計画

要件
付加価値額要件

事業計画期間(3~5年)で付加価値額の年平均成長率が+4%以上

要件
賃上げ要件【未達の場合、補助金返金義務】

・一人当たり給与が都道府県の最低賃金成長率(北海道は3.2%)以上、または

・給与支給総額の年平均+2.5%以上

※応募時に従業員数が0名の場合、賃上げ要件が達成できないため申請できない(!)

要件
最低賃金要件

補助事業後、事業所内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上

要件
ワークライフバランス要件

一般事業主行動計画の策定・公表(従業員20名以下でも必須)

要件
金融機関確認要件

資金提供を受ける場合は、金融機関からの事業計画確認が必要

対象外となる主なパターン

  • 創業1年未満(決算1期未満)の企業
  • 従業員が0名の企業
  • 事業再構築補助金やものづくり補助金で最近採択されている場合
  • 「新事業」に見えて、実は既存製品の別売り直しであるケース
  • みなし大企業とされる企業(親会社の影響が強いなど)

審査のポイント

1. 書面審査のポイント

書面審査では、以下の観点から事業計画が評価されます。

Point
補助対象事業としての適格性

補助対象者・事業・経費の要件を満たし、高い付加価値や賃上げの目標を設定し、実現可能性が高いかどうかが評価されます。

Point
新規事業の新市場性・高付加価値性

社会での普及度が低い新しい分野であり、自社の強みに基づいた高価格・高付加価値な内容であるかが審査されます。

Point
新規事業の有望度

参入可能で成長性のある市場か、競合に対して差別化ができるか、市場性や優位性が明確かが評価されます。

Point
事業の実現可能性

中長期の課題や実行体制、スケジュール、資金調達など、計画の実現性が高いかどうかが審査されます。

Point
公的補助の必要性

波及効果や雇用創出など、国の支援によって効果が見込まれる事業か、補助なしでの実施困難性が問われます。

Point
政策面

デジタル・脱炭素・地域活性化等の政策課題に合致し、日本経済の構造転換やイノベーションに貢献する内容かが評価されます。

Point
大規模な賃上げ計画の妥当性 (賃上げ特例の適用を希望する場合のみ)

大幅な賃上げの根拠が明確かつ持続的であるか、利益を人件費に充当し続けられるかが審査されます。

2. 加点項目

政府が推進す取組を率先して行う事業者に加点が行われます。
ものづくり補助金は加点が重要と言われており、加点を確実に取るためにも早めの準備が必要となります。
以下は、加点項目の主なものです。

  • パートナーシップ構築宣言を公表している
  • えるぼし認定、くるみん認証を取得している
  • アトツギ甲子園のピッチ大会に出場した
  • 健康経営優良法人2025に認定されている
  • 技術情報管理認証制度の認証を取得している
  • 成長加速マッチングサービスに会員登録し、挑戦課題を登録している
  • 中小企業活性化協議会等から支援を受けており、再生計画等を「策定中」または「策定済」で応募締切日から遡って3年以内に成立等した

※他にも減点項目なども設定されています
※また、書面審査で一定の基準を満たした事業者を対象に口頭審査もあります

申請前に準備しておくべきこと

  • GビズIDプライムの取得(未取得の場合は要手続き
  • 一般事業主行動計画の公表(1~2週間かかる場合あり)
  • 金融機関と事業計画の共有・確認の取得準備
  • 補助対象となる「新規性」の明確化と整理

サポート費用

着手金20万円(税別)
成功報酬補助金額の10%(補助額が1,000万円以下の場合は15%、交付決定時)
サポート範囲相談~申請~交付申請~実績報告まで

まとめ

この補助金は、既存事業の延長ではなく、あくまで“新しいお客さんに新しい商品を届ける”ためのチャレンジを支援する制度です。
中小企業が次のステージへ踏み出すための、大型かつ実効性のある補助金制度として、注目度も高まっています。
補助金ありきでなく、「新事業の立ち上げに本気で取り組む」企業こそ、申請に向いています。
準備に時間がかかる要件も多いため、早めの情報収集と体制づくりが鍵です。申請をお考えの方は、ぜひご相談ください

補助金申請をお考えの方は、経産省「認定支援機関」が運営する当センターへ、ぜひご相談ください

北海道補助金助成金サポートセンターでは、札幌市・苫小牧市・千歳市・恵庭市など道央地区や北海道内を中心に、自社での申請が難しい事業者に向けて各種補助金の申請サポートを行っています。

当センターを運営する株式会社OTisは、経済産業省から認定を受けた中小企業経営支援に関する認定支援機関(経営革新等支援機関)。補助金のプロが相談から申請・実績報告まで徹底サポートさせていただきます。

これまでも国や地方自治体の様々な補助金のサポート実績がありますので、支援をご希望の方や、自社でも使えるかなどご相談は、電話、公式LINE、お問合せフォームなどでご連絡ください。お待ちしています。

北海道補助金助成金サポートセンター
電話:050-3124-0901
営業時間:平日9:00~18:00
(お問合せフォームでのお問合せは24時間承ります)

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