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【2025年11月発表】省力化投資補助金(一般型)第3回採択結果と傾向分析
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2025年11月28日に発表された「省力化投資補助金(一般型)第3回」の採択結果を解説。採択率66.8%という高水準の背景や、業種・地域・投資規模の傾向、北海道の特徴を専門的な視点から整理します。
2025年11月28日、省力化投資補助金(一般型)第3回の採択結果が公表されました。結果は採択率66.8%。第2回(60.9%)を上回り、ものづくり補助金の30%台と比べても非常に高い水準を維持しています。
第3回は申請件数が大幅に増えると予想され、「激戦になるのではないか」との声もありましたが、実際には採択件数の増加がそれを飲み込み、結果として高採択率が続く展開となりました。
すでに第4回は11月27日に締切済みで、次の第5回は2月下旬の締切予定。今回の結果から見える傾向を押さえることで、今後の申請戦略をより具体的に描くことができます。
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1. 第3回採択結果の概要
省力化投資補助金(一般型)第3回の採択結果は、以下の通りです。
第3回の採択率は66.8%と、第1回・第2回に続き3回連続で60%台を維持しました。制度開始以来、安定して高い採択率が続いており、一定の要件を満たした上で事業計画を丁寧にまとめれば、比較的採択されやすい補助金であることが改めて示された形です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 申請者数 | 2,775社 |
| 採択者数 | 1,854社 |
| 採択率 | 66.8% |
| 北海道の採択件数 | 59社(全体の3.2%) |
第3回では申請件数が大きく増加したものの、採択件数も増加し、採択率は66.8%と前回(60.9%)を上回り、他の主要補助金(例:ものづくり補助金の採択率30%台)と比較しても、依然として高い水準にあります。
2. 全国の傾向分析(第3回)
第3回の全国データを見ると、「設備投資の中心層」「採択が多い業種」「企業規模の傾向」が前回から大きくぶれることなく継続しており、制度としての“安定感”が明確に表れています。一方で、建設業やサービス業の採択が拡大するなど、裾野がやや広がった点も今回の特徴です。
また、なぜ今回も高い採択率(66.8%)が維持されたのかという背景を見ると、制度の目的と現場の課題が非常に一致しやすい点が挙げられます。多くの業種で人手不足が深刻化するなか、「省力化」というテーマは小規模事業者でも取り組みやすい投資内容が多く、申請者の裾野が広がりやすい構造があります。さらに、国としても省力化投資を重点施策として位置づけており、関連予算が確保されていることも採択率の高さを支える要素となっています。
こうした背景から、申請件数が増加したにもかかわらず、採択率が大きく落ち込まない状況が続いていると考えられます。
全国1,854件の採択情報から見える主要トレンドは以下の通りです。
(1)業種別の傾向
- 製造業:51.3%(最大)
- 建設業:15.5%(増加傾向)
- 小売業・生活関連サービス業が前回より増加し、裾野が広がっています。
(2)投資規模の傾向
- 最も多い補助金申請額:1,500万円〜1,750万円未満(20.7%)
- 大型投資よりも「中規模投資」が中心。同区分は第2回より割合が増加。
(3)企業規模の傾向
- 従業員数:6〜10名以下が最多(14.7%)
- 5人以下の事業者も増加しており、小規模事業者にも適した制度であることが裏付けられる
(4)地域傾向
採択件数上位は以下の通り。
| 都道府県 | 第3回採択件数 |
|---|---|
| 大阪府 | 182件(9.8%) |
| 東京都 | 167件(9.0%) |
| 愛知県 | 147件(7.9%) |
都市部の採択が引き続き多い構造となりました。
3. 第2回→第3回の採択傾向の変化
制度全体の推移を見ると、第1回から第3回まで採択率はいずれも60%台で推移しており、申請数が増える中でも安定して採択件数が確保されています。
第2回から第3回への大きな変化としては、「採択件数の急増」と「業種構成の広がり」が挙げられます。製造業は今回も最大割合を占めていますが、比率はやや低下し、代わりに建設業やサービス業の存在感が増しています。あくまで緩やかな変化ではあるものの、製造業中心の構造から、少しずつ多様化へとシフトしつつある点が今回の特徴といえます。
| 項目 | 第2回 | 第3回 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 総採択件数 | 707件 | 1,854件 | 約2.6倍に増加 |
| 製造業割合 | 58.4% | 51.3% | 比率減、件数は増 |
| 建設業割合 | 12.4% | 15.5% | 増加 |
| 生活関連サービス業 | 0.6% | 1.8% | 増加 |
| 申請額最多区間 | 1,500〜1,750万円 | 1,500〜1,750万円 | 投資規模は安定 |
| 従業員数最多区分 | 6〜10名(17.5%) | 6〜10名(14.7%) | 10名以下中心は変わらず |
| 資本金最多区分 | 1,000〜2,000万円 | 1,000〜2,000万円 | 変化なし |
■ 総括
- 第2回から第3回にかけて、採択件数は大きく増加した一方で、採択率は60%台を維持しています。
- 製造業中心の構造は続きつつも、建設業・サービス業の採択が広がり、緩やかな多様化が進んでいます。
- 投資規模や資本金分布には大きな変化がなく、中小企業による中規模投資を支える制度として安定してきています。
- 小規模企業の採択が引き続き多く、企業規模を問わず活用しやすい補助金として定着しつつあります。
4. 北海道の採択状況と特徴(第3回)
北海道は第3回で59件が採択され、「一次産業の大型省力化投資」と「建設・製造の現場DX」が中心となる結果でした。
特に農業・酪農分野での活用が目立ち、一次産業の比重が大きい北海道らしい傾向がそのまま採択状況に表れています。
また、全国の流れと同様、AIやロボットを用いた自動化・無人化への取り組みも広がり、現場の課題を直接的に解決する実践的な投資が数多く採択されました。
(1)採択件数
- 北海道:59件(全体の3.2%)
市町村別の採択件数:
| 市町村 | 件数 |
|---|---|
| 札幌市 | 13 |
| 苫小牧市 | 0 |
| 千歳市 | 0 |
| 恵庭市 | 2 |
(2)採択傾向の特徴
北海道は以下の3領域が際立ちました。
① 農業・酪農の大型省力化投資
搾乳ロボット、自動操舵トラクタ、選果設備など、人手不足が深刻な一次産業の自動化投資が目立ちます。
② 建設・土木のDX化
ICT建機、レーザースキャナ、ドローン測量など、現場の省力化・省人化を狙う投資が多い点が特徴です。
③ 製造・食品加工のライン効率化
加工ラインの自動化設備、ロボットシステムなどを導入し、稼働率の向上や省力化を図る事例が多く見られました。
(3)特徴的な採択事例(第3回)
- 搾乳ロボット導入による省力・省人化(精密酪農)
- 無人化農機による稲刈り作業の省力化
- 玉ねぎ自動皮むきラインによる加工効率化
- AI検査導入による生産性向上
- AI採用支援SaaSによるバックオフィス省力化 など
5. 今回のポイント(3つ)
- 第3回も高採択率(66.8%)を維持
- 第2回から業種の裾野が拡大(建設・サービス業が増加)
- 小規模事業者の採択が引き続き多い=幅広い企業が申請しやすい制度
今回の第3回を振り返ると、「採択率の高さ」「採択業種の広がり」「小規模企業の活用の多さ」という3点が特に際立ちました。製造業だけでなく建設業やサービス業にも採択が広がり、制度としての懐の深さがより明確になった印象です。
また、省力化投資補助金は、ものづくり補助金と同様に中小企業向けとしては比較的大きな投資を後押しする制度ですが、そのイメージとは裏腹に、従業員数の少ない企業でも十分に採択されている点が特徴的です。企業規模にとらわれず、現場の省力化ニーズに応じて活用しやすい補助金として、徐々に定着してきたと感じられます。
6. まとめ
第3回の採択結果を振り返ると、「高い採択率の維持」「採択業種の広がり」「小規模事業者の積極的な活用」という3つの流れが明確に確認できました。制度開始以来、採択率は60%台を維持し続けており、申請件数が増えた今回もその傾向は変わりませんでした。人手不足や業務の高度化が求められる中、省力化投資は多くの中小企業に共通する課題であり、その需要が着実に制度へと反映されている印象です。
また、建設業やサービス業の採択が増え、農業・酪農や食品加工など一次産業まで幅広い現場で省力化が進んでいる点は、今回の特徴のひとつと言えます。さらに、小規模事業者の採択が引き続き多いことから、企業規模を問わず取り組める補助金として、制度がより広く浸透してきたこともうかがえます。
今後の公募に向けては、まず今回の採択傾向を自身の産業・地域の文脈と照らし合わせて整理することが重要です。省力化投資のニーズが高い分野では採択が広がる傾向が続いており、自社の業務課題に具体的な改善策を描けるのであれば、引き続き十分なチャンスがあるといえるでしょう。次回以降の公募スケジュールを確認しながら、早めに検討を進めていただくことをおすすめします。
7. 関連リンク(内部リンク)
- 省力化投資補助金(一般型)制度まとめページ
https://h-hojo.jp/%E7%9C%81%E5%8A%9B%E5%8C%96%E6%8A%95%E8%B3%87%E8%A3%9C%E5%8A%A9%E9%87%91%E4%B8%80%E8%88%AC%E5%9E%8B/
8. 公式情報
- 省力化投資補助金(一般型) 事務局(公募要領・採択一覧)
https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/
(※公募要領・採択結果PDFは事務局ページより最新版をご確認ください)
補助金申請をお考えの方は、経産省「認定支援機関」が運営する当センターへ、ぜひご相談ください
北海道補助金助成金サポートセンターでは、札幌市・苫小牧市・千歳市・恵庭市など道央地区や北海道内を中心に、自社での申請が難しい事業者に向けて各種補助金の申請サポートを行っています。
当センターを運営する株式会社OTisは、経済産業省から認定を受けた中小企業経営支援に関する認定支援機関(経営革新等支援機関)。補助金のプロが相談から申請・実績報告まで徹底サポートさせていただきます。
これまでも国や地方自治体の様々な補助金のサポート実績がありますので、支援をご希望の方や、自社でも使えるかなどご相談は、電話、公式LINE、お問合せフォームなどでご連絡ください。お待ちしています。

北海道補助金助成金サポートセンター
電話:050-3124-0901
営業時間:平日9:00~18:00
(お問合せフォームでのお問合せは24時間承ります)
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■■■この記事の著者■■■
中小企業専門・補助金活用アドバイザー 矢農 誠
★経済産業省認定 経営革新等支援機関 株式会社OTis(オーティス) 経営支援室 室長/北海道補助金助成金サポートセンター センター長。
★国と北海道ローカルの補助金を得意とし、大型補助金のみならず大手コンサルが扱わない100万円単位の小規模な補助金もフォロー出来ることが強み。
★1979年生まれ、市議会議員→地場飲食店チェーン本部総務部長→現職。商工会議所認定ビジネス法務エキスパート、麻雀7段。


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