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民泊の改装・集客に使える補助金|小規模事業者持続化補助金を解説

「民泊って、補助金を使えるの?」
民泊施設の改装や集客を考えるとき、まず気になるのは、自分の事業でも補助金を使えるのか、ということではないでしょうか。
民泊でも活用できる補助金があります。その一つが、小規模事業者持続化補助金(以下「持続化補助金」)です。
この記事では、持続化補助金の概要と民泊での使い道、実際の採択事例を紹介します。あわせて、申請前に民泊の届出が必要になることや、発注までに見込む期間など、ご自身の計画で使えるかを判断するためのポイントを解説します。
※主に一般型・通常枠の住宅宿泊事業を扱います。制度条件は2026年10月時点の第20回公募要領・FAQに基づきます。

1.民泊にも使える小規模事業者持続化補助金とは?
持続化補助金は、小さな会社や個人事業主が、新しいお客様を増やすために行う施設の改装や広告などの費用を支援する国の補助金です。
民泊事業者による活用が、公式資料で明確に示されている補助金でもあります。
公式FAQには、住宅宿泊事業者が宿泊用の物件を改装する場合について、補助対象となる費用の計算方法や、届出書・図面等の提出手続きが定められています。民泊の改装を対象とする取扱いが明記されているため、条件を満たせば民泊事業でも活用できます。
小規模事業者持続化補助金の概要
- 補助上限:250万円(特例使用時)
- 補助率:2/3
- 対象経費:施設の改装工事費、広告費、ホームページ制作・改修費、機械装置等の導入費など
- 対象者:一定の従業員数などの条件を満たす小さな会社・個人事業主など
※通常の補助上限は50万円です。250万円となるのは、賃金引上げ特例とインボイス特例の要件を両方満たす場合です。補助率は原則2/3で、賃金引上げ特例のうち赤字事業者には3/4となる場合があります。各経費にも条件があります。
公募要領やFAQは、補助金の公式サイトに掲載されている最新版をご確認ください。
民泊でも使える制度だと分かったところで、具体的な改装計画を考える前に、施設の準備状況と工事の時期について確認しておきましょう。
2.活用前に知っておきたい2つの前提
住宅宿泊事業の改装で持続化補助金を検討するときは、「民泊の届出を済ませているか」と「交付決定を待ってから工事を発注できるか」が、計画を立てるうえでの前提になります。
申請前に民泊の届出を済ませておく
補助金の申請時には、住宅宿泊事業法に基づく届出書が必要です。そのため、先に届出に必要な設備や要件をそろえ、民泊として届け出ておく必要があります。
逆にいうと、届出前の建物を、補助金を使って初めて民泊として営業できる状態にする、という使い方はできません。 届出に必要な初期整備の費用を、後からこの補助金で賄うこともできません。
考えられるのは、必要な設備を備えて民泊を立ち上げた後、追加の改装や集客に取り組む使い方です。例えば、届出に必要な設備・要件を満たした施設について、宿泊客がより快適に過ごせるよう充実させる計画で申請します。
一般型・通常枠では、申請者自身が申請時点で事業を開始していることも必要です。既存事業者が新しい施設を加える場合も、申請者の開業状況と、その施設の民泊届出は、それぞれ確認します。
※個人事業主も対象になり得ますが、業種・従業員数などの条件があります。詳しくは制度詳細ページをご確認ください。旅館業法の許可施設、特区民泊、創業型などでは、対象条件や必要書類を区別します。
工事の発注まで約4か月を見込む
また、スケジュールにも注意が必要です。施設の届出が済んでいても、「申請したら、すぐに改装できる」と考えて予定を組むことはできません。
当センターでは、計画を考える際、申請から採択まで3か月程度、交付決定を経て発注可能になるまで約4か月を、一つの目安としてお伝えしています。
採択は、工事を発注してよいという通知ではありません。発注・契約・工事は、交付決定を受けてから進めます。

この期間は確約されたものではありません。採択発表は公募回ごとの日程で行われるため、早めに提出した場合は提出日からの待ち時間も長くなります。第20回公募要領でも、採択後に見積書を速やかに提出した場合でも、交付決定まで1~2か月かかる場合があるとされています。
「来月の繁忙期までに工事を終えたい」といった急ぎの改装では、この待機期間が計画に合わないこともあります。工事業者への見積りの相談と、正式な発注・契約を分け、4か月を超える場合も含めて改装時期を考えましょう。
届出の状況と改装時期が合う場合は、次に、どのような施設の充実や集客に使うかを考えます。
3.どんな改装・集客に使える?採択事例で見る活用方法
申請では、「誰に利用してほしいのか」「そのお客様のために何を改善するか」「予約や売上にどうつなげるか」を計画にまとめます。民泊で使う費用であれば、何でも対象になるわけではありません。
検討できる主な使い道と条件は、次のとおりです。
| やりたいこと | 検討する費用・経費区分 | 主な条件・注意点 |
|---|---|---|
| 新しいお客様を迎えるため施設を改装する | 改装工事の外注費など(委託・外注費) | 集客やサービス向上につながる計画が必要。自宅部分は対象から除いて考えます |
| 宿泊サービスを知ってもらう | チラシ、インターネット・SNS広告など(広報費) | 広報費の補助金申請額は上限30万円。広報費だけの申請はできません |
| 施設の魅力や利用方法を伝えるホームページを作る・改修する | ホームページ制作費など(ウェブサイト関連費) | この区分の補助金申請額は上限30万円。この区分だけの申請はできません |
| 物件や日常的に使う物を購入する | 不動産購入、仕入れ、パソコン・家庭用家電など | 補助対象外となる費用があります。「民泊で使うから対象」とは判断できません |
広報費とウェブサイト関連費の30万円は、それぞれの費用に対する補助金額の上限です。工事費などを合わせて最大250万円の条件を満たす場合でも、各区分の上限まで同じように増えるわけではありません。
なお、広告費とホームページ制作費を組み合わせる申請は可能です。写真・動画の制作費も、広告に使うのか、自社ホームページに使うのかなどによって区分を確認します。
採択事例:宿泊客向けの設備を整え、飲食サービスも組み合わせる
当センターが申請をサポートし、採択された北海道内の宿泊事業者の事例をご紹介します。
既に宿泊施設を運営していた事業者が、別の自己物件を活用し、1階に飲食店、2階に民泊を設ける計画です。
新しい施設は、民泊として必要な最低限の設備は整っていたものの、宿泊施設としての魅力をさらに高めることが課題でした。
家族連れやグループなどの利用を想定し、民泊部分には宿泊客専用のシャワー、脱衣室、洗面などを整える内容でした。
飲食店側ではカウンターや厨房などを改装し、宿泊と食事を組み合わせたサービスを目指しました。工事を通じて、どのようなお客様に、どのような滞在を提供したいかが分かる計画です。
申請計画では、飲食店部分を含む改装・設備工事費が約329万円(税込)、補助金申請額は200万円でした。ここで紹介する金額や取組は申請時の計画であり、補助金の受取額や工事後の売上実績を示すものではありません。
やりたい工事や集客の取組が見えてきたら、その費用のどこまでが対象になり、いくら補助されるのかを確認します。
4.どこまで対象になり、いくら補助される?
改装の計画で確認する順序は、まず「補助対象になる費用はいくらか」、次に「その費用に対して、いくら補助されるか」です。
自宅と事業用の部分を分け、対象となる改装費を確認する
自宅と民泊に使う部分が同じ建物にある場合は、どこを改装するのかを確認します。住居部分を含む工事費を、そのまま全額申請することはできません。
面積で費用を分ける「按分」が必要な場合、事業に使う部分の広さを基に対象経費を計算します。自宅と事業で共用する部分は、半分ずつに分けます。

公式FAQでは、次の計算例が示されています。
- 改装費:300万円
- 自宅部分:140㎡、事業用部分:120㎡、共用部分:40㎡
300万円 ×(120㎡+40㎡÷2)÷300㎡ = 補助対象経費140万円
140万円は、補助金そのものではなく、補助金を計算する基になる費用です。
面積の区分とともに、実際に工事する場所を示せるようにしておくことも、準備のポイントです。
先ほどの採択事例では、住居・飲食店・民泊の部分を色分けして面積を示し、工事する場所を図面に記載していました。
提出資料には、事業専用部分の工事であれば按分不要と事務局に確認し、今回は飲食店・民泊の事業用部分の工事を按分せず計上した旨が記録されています。
このように、建物に自宅部分があるからといって、すべての工事費に建物全体の面積比を一律に掛ける説明にはできません。自宅や共用部分も含む工事なのか、事業用部分に限った工事なのかを、見積書や図面と合わせて確認します。
対象経費に補助率と上限を当てはめる
対象になる費用が分かったら、補助率と上限を当てはめます。一般型・通常枠の補助率は原則2/3で、上限は適用する特例によって変わります。
| 適用する特例 | 補助上限 |
|---|---|
| 特例なし | 50万円 |
| インボイス特例 | 100万円 |
| 賃金引上げ特例 | 200万円 |
| 賃金引上げ特例+インボイス特例 | 250万円 |
按分の計算例とは別に、最大額を受ける場合の投資規模を見てみましょう。
原則として、消費税は補助対象にならないため、補助金は税別の金額を基に計算します。
補助対象となる税別375万円以上の設備投資で、上限250万円の補助となります。
※賃金引上げ特例とインボイス特例の要件を両方満たし、補助率2/3で計算する場合です。通常の上限は50万円です。賃金引上げ特例のうち赤字事業者には、補助率3/4となる場合があります。
※免税事業者や簡易課税事業者などは、例外として消費税を含めた金額で申請できる場合があります。
375万円は、自宅部分などの対象外費用を除いた「補助対象経費」です。総工事費が375万円あれば、どのような施設でも250万円になるという意味ではありません。
税別の補助対象経費375万円に対して250万円の補助を受ける例では、その差額125万円に加え、消費税や対象外の工事費なども自己負担になります。
また、補助金は後払いです。工事代金などを先に支払い、実績報告や金額の確認を終えてから受け取るため、補助される分も含め、いったん支払える資金を用意する必要があります。
改装内容と対象費用、支払う資金の見通しが立ったら、見積書や図面などを用意して申請準備を進めます。
5.申請に向けて何を準備する?
まず、工事業者に改装したい場所と内容を伝え、見積書を取得します。設備を導入する場合は、仕様が分かるカタログも用意しましょう。見積書は、どこを工事する費用か分かる内容にしておくと、図面との照合や対象経費の確認に役立ちます。
あわせて、施設の届出書と図面を確認します。準備は早めに進めますが、提出時期は異なります。
- 補助金の申請時:住宅宿泊事業法に基づく届出書。 電子で届け出た場合は、民泊制度運営システムの「事業者届出情報」を印刷したもの。
- 採択後から交付決定まで:事業に使う部分の面積が分かる図面等。 自宅・事業用・共用部分の区分と工事範囲を説明できるようにします。
これらの資料を基に、迎えたいお客様、現在の施設や集客の課題、改装等で改善すること、見込む売上などを事業計画にまとめます。
申請には地域の商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)も必要です。発行依頼の締切は電子申請より早いため、早めに相談してください。電子申請に使うGビズIDプライムの準備も必要です。
【最新日程の案内】
公募回ごとの受付開始・締切・採択予定は、当センターの制度詳細ページと公式サイトでご確認ください。
相談する際は、施設の届出区分、図面、工事の見積りと希望時期をお持ちいただくと、ご自身の計画で使えるかを具体的に検討できます。
補助金申請をお考えの方は、経産省「認定支援機関」が運営する当センターへ、ぜひご相談ください
北海道補助金助成金サポートセンターでは、札幌市・苫小牧市・千歳市・恵庭市など道央地区や北海道内を中心に、自社での申請が難しい事業者に向けて各種補助金の申請サポートを行っています
当センターを運営する株式会社OTisは、経済産業省から認定を受けた中小企業経営支援に関する認定支援機関(経営革新等支援機関)。補助金のプロが相談から申請・実績報告まで徹底サポートさせていただきます。
これまでも国や地方自治体の様々な補助金のサポート実績がありますので、支援をご希望の方や、自社でも使えるかなどご相談は、電話、公式LINE、お問合せフォームなどでご連絡ください。お待ちしています。

北海道補助金助成金サポートセンター
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■■■この記事の著者■■■
中小企業専門・補助金活用アドバイザー 矢農 誠
★経済産業省認定 経営革新等支援機関 株式会社OTis(オーティス)経営支援室 室長/北海道補助金助成金サポートセンター センター長。
★国の補助金から北海道ローカルの補助金まで幅広く対応。大型補助金だけでなく、大手コンサルが扱いにくい100万円規模の小規模な補助金にも対応。
★1979年生まれ。市議会議員、地場飲食店チェーン本部総務部長を経て現職。商工会議所認定ビジネス法務エキスパート。麻雀7段。


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